はやん心を決



Tシャツの胸元に書いてもらったぎこちないサインを、誇らしげに見せる琉生を抱き上げた尊は、自分も昔、この遊園地で両親と飲食業 招聘共に戦隊ショーを見たことをぼんやりと思いだした。公演後、尊は多くの子供たちのように、どうしても玩具が欲しくて、両親にねだったのだった。
だが琉生は、子供たちが群がる物販コーナーへは行こうとしなかった。不思議に思った尊は何気なく聞いてみた。

「ねぇ。琉生くんは、きゅうこうじゃーのおもちゃとか持ってるの?」

持っているなら買う必要はないかなと、思った。

「きゅうこうブラスター?琉生くんは……ん~と、おもちゃは持ってないの。」
「そう。欲しくないの?ママに買ってって言わないの?」

琉生は困ったような顔をして、尊を見つめた。

「琉生くんは……いいの。」
「あのね。もしよかったら、今のじゃないけど少し前の隼人の合体ロボがあるから、貰ってくれないかな。お兄ちゃんたちはもう大きくなったから、おもちゃは要らないんだ。でも、捨てるのは勿体無くて、箱に入れてしまってあるんだ。他にもミニカーとかプラレールとかもいっぱいあるんだよ。見てみない?貰ってくれたら嬉しいんだけど。」
「琉生くん、ミニカー好き……。パトカーと救急車持ってる。」

それは、病院でsculptra 價錢看護師たちにプレゼントしてもらった、琉生の宝物だった。
会話を聞いて哀しげな視線を寄越した母は、何も欲しがらない琉生の本心を知っていた。琉生は何も言わないが、家に余分なお金の無いことを、きっと解っていた。
琉生が、どれだけきゅうこうじゃーが好きか、母も知っていたが、イラストが付いているだけで何割も高くなる品物を買ってやれなかった。

子どもたちのやり取りを聞き、この出会いに縁があるのなら、家族になれればと母は思った。
相手の連れ子の二人の子供たちは素直で、下の子ちゃで明るく、大人びた長男の方は琉生にも優しいようだ。
手をつないで仲良く歩く子供たちを眺めながら、母は上手くいった出会いに安堵し寺川に微笑みかけていた。

戸惑うこともあるだろうが、きっと兄弟はこれから一人っ子の琉生の支えになってくれるだろう。
母は、いつか一人ぼっちになる琉生の行く末を思ってめた。馴染みのラーメン屋に紹介された寺川という男は、最初は無口で神経質な印象だった。
むしろ無愛想と言ってもいいかもしれないくらい、口数は少なかった。
だが、ありったけの勇気を振り絞ったのだろうか、二回目に会った時いきなり、もしあなたさえ良かったら子育てを手伝ってくれませんかと、素直に頭を下げて美和を驚かせた。
高学歴で自尊心の高い男だと、認識していたから意外だった。
美和自身は釣り合い華欣自由行が取れないような気がしていた。

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