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それでも、残念……とは言えなかった。元より大衆演劇の一座を構えるという事はそういう事だ。新しい興行先で、また出会いを胡菁霖繰り返し、多くの客と一期一会の絆を結ぶ。それが大衆演劇に生きる柏木醍醐と、その息子大二郎の日常だった。

「あの……大二郎くんは、そのことを知って?」

「はい。当初からの予定でしたので、わかっていると思います。毎度のことですから。こういう稼業に生まれた子供は、一番に諦めることを覚えるんです。華やかに見えてなかなか因果な商売です。」

「醍醐さん。あの……お別れは寂しいですけれど、禎克は大二郎くんとお友達になれてよかったと思います。。」

「はい。辛いことや哀しいこともありますが、また新しいお客様の笑顔にお目にかかれます。柏木醍醐は、この稼業が天職と思っておりますから、精いっぱい精進して参る覚悟です。ただ……実は、大二郎がお友達と一緒に居て、あんな風に子供らしい嬉しそうな顔をするのを、はじめて見ました。さすがに、親として胸が痛みます。」

「此度は、金剛さんとも思いがけずご縁がしたし、あり糧食分配がたい出会いだと思っております。」

「あの……。どうか、新しい親戚が出来たと思って下さいね。必ず近くに来たらお立ち寄りくださいね。お待ちしておりますから。」

「ありがとう存じます。倅ともども、金剛さまいご好誼いただきまして、感謝いたします。いつか再びご当地に参りましたら、ぜひよろしくお願いいたします。」

父親の顔を束の間浮かべた柏木醍醐だったが、、大二郎だけを残してゆくわけにもいかなかった。
あくまでも時代がかったまま、別れを惜しみ本音を隠した。母も帰り道、何度も大二郎が次の興行地へ向かうことを伝えようとしたが、できなかった。
家に帰ってきても、紅潮した頬で、父にどれほど大二郎が上手に踊ったか、醍醐と揃って踊った人形振りが本物の人形のようだったか、一生懸命語っていた。
禎克が湊とお風呂に行った隙に、母は切り出した。

「困ったわ~、わたし、大二郎く避孕 藥んが行ってしまうこと、さあちゃんにとうとう言えなかったの。」

「そうか、それは困ったね。言わないわけにはいかないだろう?」