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ることはに置い


「では、柏宮基尋様。改めてこれが証文です。借金、金壱萬円。返済期間は10年間という事でよろしいですね。」

「は……あい。お世話になりんす。此度はお医者さまの費用も、お持ちいただきありがと鑽石能量水濾心うござりんした。」

「おや。いつの間にやら、上手く廓詞も話せるようになったんだね。」

「あい。雪華兄さんに教えていただきんした。」

養生の合間に、基尋は雪華花魁から少しずつ廓詞やほかの事を習い覚え、新しい名前も貰っていた。

*****

「いいかえ。花菱楼では、皆花魁にちなんだ名前を付けるんでありんす。わっちの名前は雪華で、わっちの代役も務めるすぐ下の弟分、振袖花魁は天華(てんか)花魁、初雪花魁。禿は六花(りっか)、六辺香(ろっか)と名乗っておりんす……そうさね、お前の名前は何が良いかねぇ。」

「淡雪じゃ儚くなってしまいそうだし、薄雪は哀しい。小さくてかわいらしい若さまに似鑽石能量水濾心合いのお名前は……」

雪華花魁はしばらく考えて、ぽんと手を打った。

「そうだ、細雪(ささめゆき)。ささめと呼ぼうよ。今日からお前の名前は禿のささめだ。どうだえ?」

「それで結構です……で、ありんす。どうぞよろしゅう……雪華兄さん。」

「あの、ぼくも若さまのお傍に居たいです。どうか一緒てください。お願いします。」

横合いから思い詰めた顔の浅黄が、頭を下げた。
楼主と雪華花魁は顔を見交わした。

「おや、新しい禿が二人もできちまったよ。お前にはちょうど六花(りっか)という名前が空いているから、それをあげようよ。廓で覚え、たんとあるがしばらくは花菱楼の中を見ておいで。花魁という字には花という字が入っているだろう。見事に咲くも虚しく散るもお前たち次第ということだよ。しっかりお励みなんし。」

「わっちは心底驚いたのでありんす。本郷の宮様が連れてきたあの子は、真に思わぬ拾い物でござりんす。何もわからぬ若さまを哀れと思って、様子を見ておりんしたが、どうしてどうして……」

嬉しそうに話をする雪華花魁を見やり、うんうん、と馴染みは肯いた。

「器量もいいし、心映えもいいと言うんだろう?この頃雪華は、あの子の話鑽石能量水系統ばかりだね。一度逢わせてほしいものだ。」